コラム

【札幌 弁護士コラム】新人採用活動に思う(2):弁護士の採用活動の時期

こんばんは、荒木でございます。

 

昨日は、北海道M&A協会の会議、事務所内の月例ミーティング、訴訟案件の打合せ、M&A関係の人の紹介、顧問先様からのM&A案件の相談など、色々とあった1日でした。

 

さて、前回は弁護士の就職状況の推移についてみてきました。

それだけを見て、なかなか他の業界にはない特殊な業界であることがお分かり頂けたかと思います。

今回は、「弁護士の採用活動がどのように行われるか」というお話をしてみたいと思います。

 

まず、質問です。

弁護士の採用活動っていつから始まると思いますか?

…といってもどんなタイミングがあるのかわからなければ見当もつかないと思いますので、少しご紹介したいと思います。

 

弁護士になるための代表的な経歴は以下のようなものです(ストレートの場合です。)。

(1)法学部生(4年間)

(2)法科大学院生(2~3年間)

(3)司法試験受験生(2か月間)

(4)司法試験後の結果発表待ちの時期(4か月間)

(5)合格後、司法修習待ちの時期(2か月間)

(6)司法修習生(1年間)

(7)登録前有資格者(2週間)

(8)弁護士

期によって多少の誤差はありますが、大体こんなものでしょう。

なお、司法試験の合格率は25%前後、司法修習を無事に修了できる確率は95%前後だと思います。

 

そんなわけですので、常識的に考えれば、採用側としては合格したことが判明した(5)以降の人に対してリクルート活動を行うことになると思われるでしょう。

また、実際には現在においても(5)以降に内定を出す事務所が大半でしょう。

 

しかし、法律事務所の経営資源は人に尽きることから、こと優秀な経歴の人に対する採用活動というのは熾烈を極める状況にあります。

やはり採用力があるのは、四大(五大)法律事務所を始めとする東京の大規模事務所であり、それに続くのが外資系事務所や東京、大阪の中堅事務所といえるでしょう。

この辺りの事務所は(5)はおろか、(4)の時期までには内定を出すのが当たり前になっています。

最近聞く話ではさらにさかのぼって(3)の時期にまで食い込んできているといいますし、実質的には(2)の時期にサマークラークなどと称されるインターンの時期に既にほぼ決まっているというケースもあるようです(真偽はよく知りませんが)。

要は、合格発表があった時点では、(経歴という意味で)優秀な人材はかなりの確率で内定先が決まっているのであり、合格発表後に採用活動を開始する事務所はその時点で取れる人が限定されている状況になります。

 

では合格発表もされていないのに、どうやって人の情報を得るか、ということですが、四大(五大)法律事務所では主要な法科大学院に教員として弁護士を派遣することが当たり前に行われています。

そこで、学生に弁護士の名前と事務所名を覚えてもらうとともに、一定の学生との関係性を構築することが行われているわけです。

 

地方の事務所は内定を出す時期自体は大体が(6)の時期ですが、それでも早い時期からリクルート対象者と接点を持つことは地域での採用では大きなアドバンテージを持つわけです。

そのために出身法科大学院において後輩との関係性を持ち続けることも有効になりますし、場合によっては少ない枠ながらも法科大学院の講師になることができれば大手法律事務所と同様に、学生と直接の関係を持つことができるため、情報面で優位に立つことができます。

 

これら以外の手法としては日弁連が設置している求人求職サイトである「ひまわり求人求職ナビ」というもので、交流を図るという手法があります。

しかし、今のところ、民間の求人サイトを活用して弁護士の卵に対するリクルート活動をやるという話はほとんど聞きません。

 

このように弁護士の採用活動に当たっては、いかに早い段階で候補者にアクセスするか、という視点が重要になっています。

 

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