【札幌 弁護士コラム】人生単位の価値で見たときの法務の価値とは
ドラッカーの5つの質問のうち「第三の問い 顧客の価値は何か」とあるように、ビジネスを設計するにあたっては価値提供をどう考えるか、ということが非常に重要なこととされています。
この点において大切なのが、商品やサービスそのものがどれほど優れているかということではなく、「顧客がどれほどの価値を感じるか」ということです。
この観点からすると、顧客の人生に深く関わる価値を提供できることが最大の価値の提供の方法であるといえます。
例えば、教育を例にとっていえば、とある学校の入試問題で出る問題の傾向と対策を教えられるより、一生にわたって持っておくべき根本的な考え方を教えられるほうが価値が高い場合があるといえます。
このようなことは法務に関するサービスを提供する弁護士にも当てはまります。
すなわち、弁護士はよく交通事故や離婚など個別的な紛争処理案件の依頼を受けますが、それを個別的なものとして考えるのではなく、その案件が依頼者の人生や会社の命運にとってどのような意味付けを与えるものであり、根本的な問題を解決することこそが価値に当たるのではないか、ということです。
具体的な話でいうと、訴訟を起こしたほうが得られる目先の金銭が多くなるとしても、訴訟にかける労力によって人生に投資する機会を失うようであれば訴訟をやめることを勧めるべきでしょうし、僅かな金銭の争いであっても人生における信念や沽券に関わるものであれば徹底的にやることを勧めるべきでしょう。
しかし、いざ紛争になってしまうと、結局は金銭的な問題として、個別的な事案の判断を裁判所に仰ぐことしかできなくなってしまうので現実です。
そして裁判所に判断を求めたところで出てくるのは人生の単位での判断ではなく、個別的な事案処理の結果でしかありません。
そこに終始してしまうようであれば、弁護士が個別案件処理として提供できる価値は高いものとはいえません。
このため私が常に意識しているのは、「紛争になったら処理方法は限られるが、紛争になる前であれば解決方法は無数にある」ということです。
だからこそ「紛争を起こさない日々の努力」「紛争を回避するための知恵」「紛争が起こる前にできることの徹底」といったものにこだわり、アドバイスをさせて頂いてきたわけです。
このような価値を提供させて頂くためには、紛争が発生したときにスポット的な相談に乗らせて頂くより、人生や会社の命運に長期間携わらせて頂く必要があると考えています。
このような意味で長期的、包括的に関係を持たせて頂くことができる顧問業務をご推奨させて頂くことがあります。
何も全てのケースにおいて顧問業務を依頼していれば解決するとか、顧問業務を依頼していれば必ず幸せになれるとか、そこまで述べるつもりはありません。
ただ、少なくとも法律的な問題に関して人生や会社の命運の単位でのボトムアップや逓増に価値を感じて頂ける方には顧問業務の重要性を感じて頂けるものと思い、ご案内させて頂く次第です。
<顧問業務のご案内>
http://answerz-law.com/advisor