【札幌 弁護士コラム】「弁護士活動も仁術」と認められるために:やたら訴訟をしたがる弁護士への対応とは

今日は「監査役の覚悟」という本を読みました。

監査役の覚悟
https://www.amazon.co.jp/dp/4495204610/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_SSXlCbMM5NKY5

この本は監査役経験のある方がオムニバス形式で、監査役が会社の監査を行うに当たって、どこに困難を生じるかということについて書かれている本です。

その中でトライアイズという会社の監査役に就任し、社長の横暴な振る舞いに対して監査役として立ち向かっていった古川孝宏氏のコメントが寄せられていました。

古川氏は、社長の横暴な行為を止めようとするため、会社に対して情報開示求めたり、取締役会において社長を諌めるような発言を繰り返したりしてきました。

しかし、社長はいっこうに行動を改めず、監査役軽視の方針を貫きました。

そこで古川氏はやむなく法廷闘争に立つことになったのです。

とはいえ、古川氏は最初から法廷であらゆることを解決したかったのではなく、まずはまともな話し合いをしたいと考えて弁護士に相談を持ちかけました。

それにもかかわらず、依頼した弁護士は徹底的に争い、会社の不正を訴訟によって糾弾すべきである、との方針を打ち立てました。

そのことに関する古川氏の弁護士に対する印象が、以下のように書かれています。

少し長いですが、引用します。

「弁護士や公認会計士の人たちについても一緒に仕事して分かったことがたくさんあります。外科医が切りたがるように、弁護士は裁判したがります。有名弁護士は、さらに有名になりたがります。裁判官は、こちらが望みもしない和解を強要します。これら、日本で最も難関な試験を通り、尊敬される職業についておられる方々には、エリートとしての矜持と覚悟を持っていただきたいと思います。『医は仁術』と言いますが、『弁護士活動も仁術』であってほしいと思います。」(同書205頁より引用)

確かにこの古川氏のコメントは胸に刺さるものがあります。

弁護士は時として自分の報酬や、自分の名声を求めてクライアントの意向に反した訴訟活動をしたがる場合があります。

このようなことが起こってしまうと、弁護士全体に対する信頼を損ねる結果となってしまいます。

残念ながら、弁護士の中にはこのような考え方で動く人も少なくないように見受けられます。

特に訴訟に関しては弁護士が専門領域であり、訴訟外の交渉よりもクライアントに対してその知識や経験において優位な立場を築くことができます。

そのそれが一因となって、あえて訴訟にしなくてもいい案件を訴訟にしてしまうということが起こってしまいます。

これは弁護士業界全体が反省しなければならないことでしょう。

弁護士を利用される方にとっては、このような弁護士の見極め方もリスク回避のための視点として持っていただきたいと思います。

「弁護士活動も仁術」として万人に認められる時代が来ることを願ってやまない次第です。